経営再建中のシャープが、不振で売却や縮小を検討していた太陽光パネル事業を、今後も継続させる方針を固めたことが24日、分かった。鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で事業を立て直す見通しがついたため。シャープの高橋興三社長と、次期社長で鴻海副総裁の戴正呉氏が23日、社員向け文書で明らかにした。
文書は社内向けサイトに掲載され、「太陽電池事業の再建について種々の方策を検討しており、黒字化の手応えを得ている」と伝えた。
太陽光パネル事業は販売価格の下落などを受け、2016年3月期の営業損益が大幅な赤字となっていた。ただ原料調達をめぐる損失処理が一段落しており、シェアを握る住宅向けの販売を強化することで収益改善を目指す。
また鴻海による出資金の払い込み手続きは、予定通り6月末までに完了する見通しであることも、文書で明らかにした。
文書は今後の事業運営に関し「(鴻海による)出資完了後、あらゆる技術・研究開発に対する投資を積極的に推進し次世代技術の競争力を強化していく」と説明。一方、構造改革の必要性も強調。通信設備の共有などにより主に中国事業で合理化を進める余地があると指摘した。