研究成果の説明会に参加した(左から)アサヒグループホールディングス・コアテクノロジー研究所の中村康則所長、青山学院大学陸上競技部の原晋監督、同研究所乳酸菌技術部の宮﨑秀俊副主任=5月23日、東京都中央区【拡大】
その結果、摂取したグループは、そうでないグループと比べ、疲労感や筋肉痛の悪化が抑えられた。同部の原晋監督は「五輪で世界と戦うためには健康サポート体制が欠かせない。そのためのツールが増えることは非常に良い」と歓迎している。
同研究所は昨年、日常的に体を動かさない運動不足気味の中高年を対象に、同成分の摂取によって運動時の心拍数の上昇を抑えることなどを実証済みだ。
「LTP」に関連する研究成果は他にもある。乳酸菌飲料「カルピス」を原点とした発酵乳の研究を通じて、血圧降下作用などが確認されている。「LTP」含有乳タンパク分解物を含んだ商品としては、血圧が高めの人に向けた機能性飲料「『アミール』WATER300」などが既に商品化されている。
同研究所の中村康則所長は「新しい機能が分かったので、運動時の疲労回復や筋肉痛を緩和する一般向けの飲料やサプリメントの新商品開発につなげたい」と話している。