三井住友海上火災保険は7日、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で寄せられた顧客からの質問に、人工知能(AI)を使って回答するサービスを平成28年度中に始める計画を明らかにした。若年層を取り込もうと、金融機関ではLINEを活用する事例が急増している。三井住友海上は気軽にやり取りできる機能によって差別化を図る。
三井住友海上は7月下旬にLINEを使ったサービスを始める。当初は契約内容の確認や事故の連絡にとどまるが、年度内にAIを使って顧客からの質問に答える仕組みを追加する。LINEの画面上で「保険金の支払い対象になりますか」などの質問をすると、即座に回答する仕組みを想定している。
三菱東京UFJ銀行は今年2月、同様のサービスを先行して始めた。また、みずほ銀行はLINEの画面上で「スタンプ」と呼ばれる絵文字を送るだけで、残高照会や入出金明細を確認できるサービスを行っている。
このほか三井住友銀行はLINEの決済用口座への口座振替を実施。証券会社では、SBI証券が株取引の発注や株価の確認ができる機能を提供している。
LINEを個人客向けに活用する利点について、三井住友海上の担当者は「公式アカウントを一度登録しておけば、困ったときにIDやパスワードの入力なしで、すぐに連絡が取れる」と強調する。
LINEを使った金融サービスの進化は、AIなど新技術の登場で一段と加速しそうだ。(米沢文)