「影響は一過性」
三菱自動車の黒井義博常務執行役員が会見で繰り返したのはこの言葉だった。平成29年3月期決算で燃費不正に伴う損失を余裕を持って計上したためだといい「燃費不正問題の影響は今期で終わり」とまで言い切った。しかし、今回の問題を受け、国内販売の低迷は長期化が避けられない。それを過小評価したまま、問題の“幕引き”だけを急ぐ三菱自の企業姿勢に、批判が集まる懸念もある。
三菱自が22日発表した29年3月期の国内の新車販売台数予想は6万台と前期比41%減る見込み。燃費不正問題の影響が直撃するためだ。足元の国内販売は半減しており、黒井氏も会見で「国内販売はブランド価値の毀損(きそん)により、深刻な影響が出ると思う」と認めざるを得なかった。
今回の不正問題で、過去のリコール隠し問題から回復途上だったブランドイメージは再び地に落ちた。繰り返される不祥事で、三菱自に対する消費者の目はさらに厳しくなり、国内販売の低迷は長期化が予想される。黒井氏も「信頼回復には時間がかかる」とした。
にもかかわらず、今回の不正問題が業績に及ぼす影響は今期までとし、事実上の“収束”を宣言したのはなぜか。余裕すらうかがえる三菱自の姿勢について、業界関係者は「大幅な値引きを行い、販売台数を維持する戦略ではないか」と指摘する。