ライオンは30日、フィリピンでの合弁を解消し、市場から撤退すると発表した。同社は2012年に現地の洗剤メーカー、ピアレス・プロダクツ・マニュファクチャリングと合弁会社「ピアレスライオン」を設立し、シャンプーなどを製造販売してきたが、売上高は15年12月期で4.6億ペソ(約10億円)にとどまり、債務超過に陥っていた。
「事業の軌道化が当初の想定より遅れており、早期の収益化が困難」として、合弁解消を決めた。
合弁解消に伴い、ライオンは保有するピアレスライオン株を全てピアレスに譲渡する。具体的には、ライオンとピアレスが、債務の代位弁済を行って債務超過状態を解消した後、債権放棄を実施。さらにライオンが、発行済み株式の51%にあたる全保有株をピアレスに譲渡する。
合弁解消で、フィリピンにおけるライオンの生産・販売拠点はなくなるが、市場への再参入については「現時点では未定」としている。