藤田観光グループの造園部門が独立した藤田観光工営(東京都文京区)の取締役緑地管理部部長として、藤田観光が運営する「ホテル椿山荘東京」の庭園を管理している。
庭木の枝が重なって花が見えにくくならないよう、剪定(せんてい)して木の形を整える。
庭園は広く、名物の約1000本のツバキが目を引くほか、カエデ、松、桜など種類が多い。池や小さな山もあり、本物の自然が楽しめると人気が高い。「庭を眺めるのを楽しみに宿泊したり、レストランで食事をしたりするお客さまも大勢いる」
木の種類が違うと、剪定方法も変える。冬から春にかけて開花するツバキは花が散るころに枝を切る。どの枝を切ると翌年どこに花がつくかを予想するのが難しい。「何年もかけて勘を磨く。満開の頃一番きれいに見えるようにする」
また、カエデは冬に手入れを終えるのが大事だ。秋に色づいた小さな葉がふわっとまとまると華やかになる。枝の細い先を少しずつ切り、葉全体が柔らかい感じになるように整える。
木に肥料を与え、害虫が付かないよう、幹に農薬を注入することもある。
「この庭がずっと残り、毎年お客さまに楽しんでもらえるように仕事を続ける」という。
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【プロフィル】岡安晃
おかやす・あきら 高校の造園科を卒業後、1981年に藤田観光入社。35年間、造園業に携わっている。53歳。埼玉県出身。