
雑誌に掲載された、佐々木蔵之介さんが出演する関西電力の広告。ブランドステートメント「powerwithheart」を訴える【拡大】
全面自由化以降、関電から他の電力会社や大阪ガスを含む新規参入事業者「新電力」に切り替えた世帯は約22万9千件(6月10日現在)で関電利用者の約2%。原発再稼働の目途が立たず、2度の料金値上げで全国的にも料金が高い状況が続き、苦戦を強いられている。
こうした中で、関電は4月、「挑む。」と銘打ち、震災後で初となる3カ年(平成28~30年度)の中期経営計画を発表した。
ガスも含めたエネルギーの総合的な展開を強化し、37年度の連結経常利益3千億円以上を目指す意欲的な内容だ。7月からは首都圏での家庭向け電力販売に乗り出すなど、攻めの姿勢を鮮明にしている。
社内の空気も変わりつつある。6月28日の株主総会後の取締役会で、岩根茂樹氏(63)が新社長に就任し、6年ぶりの社長交代となった。岩根氏は総合企画本部長を兼務する副社長として、中計をはじめブランドステートメントの策定に中心的役割を果たした。
“岩根カラー”を帯びた関電が「power with heart」の言葉通り脱皮できるのか、真価はこれから問われる。