では、誰が巨額の粉飾を行ったのか。社長の意向を忖度(そんたく)して「会社ぐるみ」で数字を作ったというのなら、逃げようがない。東芝という会社を上場廃止にするほかないだろう。
東京証券取引所は昨年9月の段階で東芝を「特設注意市場銘柄」に指定している。東証は「(虚偽記載を行った場合であって、)直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかであると当取引所が認めるとき」に上場廃止にすると定めている。その「秩序維持」が困難かどうかを見極める「執行猶予」の期間として定められているのが「特設注意市場銘柄」だ。
金融庁など霞が関は、日本を代表する企業である東芝を上場廃止にすることだけは避けたいと考えてきたフシがある。東芝の事業には防衛関連も原子力もある。上場廃止で信用不安が起きれば破綻しかねない。
だからこそ、トップが指示をして虚偽記載させたという「個人の責任」にしたかったのだろう。オリンパスの巨額損失隠しでは、経営者が逮捕され、責任を認めて執行猶予付き有罪となった。ところが、東芝のトップは頑として責任を認めていないようなのだ。
個人の犯罪なら、逮捕起訴が当然。会社ぐるみということになれば、上場廃止が避けられない。起訴もされず、上場廃止にもならなければ、東芝や東芝の元経営者にとっては願ってもない話かもしれない。