キヤノン、円高で減収減益 16年6月中間 プリンター不振響く

 キヤノンが26日発表した2016年6月中間連結決算は、最終利益が前年同期比20.3%減の814億円、売上高が9.5%減の1兆6574億円と減収減益だった。急激な円高に加え、レーザープリンターの販売が南米や東欧、中東などで減少したことが響いた。

 レンズ交換式デジタルカメラの販売は米国や欧州で堅調だったが、コンパクトカメラは低迷した。インクジェットプリンターは前年並みの販売となった。一方、有機ELディスプレー製造装置は売り上げが伸びた。

 買収を決めた東芝の医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」(栃木県大田原市)に関しては、業績見通しにも盛り込まなかった。

 海外で競争法規制当局の審査手続き中で、買収完了の時期が見通せないため。

 16年12月期連結決算の最終利益予想は、円高の影響を織り込んで従来の2000億円から1800億円に下方修正した。

 東京都内で記者会見した田中稔三副社長は「為替が1ドル=100~110円では企業で克服する努力をしないといけない」と説明した。