
4~6月期決算と鴻海精密工業との提携状況などを説明するシャープの野村勝明副社長=29日、東京都港区【拡大】
シャープが29日発表した2016年4~6月期連結決算は、液晶パネル事業などの不振が響き、最終損益が274億円の赤字(前年同期は339億円の赤字)となった。経費削減効果などで赤字幅は縮小したが、第1四半期としては6年連続の赤字となった。売上高も3割減少した。
シャープは鴻海(ホンハイ)精密工業による出資手続きを6月末までに終える計画だったが、各国での独占禁止法審査のうち、中国の承認が遅れ、払い込みが完了していない。このため、債務超過額は3月末の312億円から750億円に拡大した。
記者会見した野村勝明副社長は「一日も早い審査の完了を待っている。(傘下に入り)新しい体制で相乗効果を追求していきたい」と話した。
売上高は米アップルのiPhone(アイフォーン)の販売不振を受け、中小型液晶などの売り上げが急減、前年同期比31.5%減の4233億円となった。太陽光事業や家電事業も大幅減収となった。
本業のもうけを示す営業損益は25億円の赤字(前年同期は287億円の赤字)だった。不振だった米州テレビ事業からの撤退で、家電事業が黒字化したことなどで収益が改善した。