
三菱日立パワーシステムズが公開したCO2を排出しない「太陽熱発電システム」=4日、横浜市中区(黄金崎元撮影)【拡大】
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は4日、横浜工場(横浜市中区)で二酸化炭素(CO2)を排出しない「太陽熱発電システム」の実証施設を公開した。集光装置で太陽熱を集め、高温蒸気を生成し、蒸気タービン発電機で発電する仕組み。太陽光発電よりも日射量に左右されず、安定的に発電でき、熱の貯蔵も可能で天候が悪くても電力供給できる。
MHPSが4日に公開した実証施設は約1万平方メートルの敷地に150基の鏡を配置し、集光する低温型フルネル蒸発器とタワー式過熱器で構成されている。
集熱量全体の7割を低温型フルネル蒸発器で集め、残りをタワー過給器で収集する。発電機を設置すれば、300キロワット相当の発電が可能になる。10月からは蓄熱装置を使った実証実験も行う予定だ。
この実証実験は環境省の委託事業で、今年度末まで実施する。MHPSは安定した電源供給システムとして早期の実用化を目指す。
ただ、現状では太陽光発電よりもキロワット当たりのコストが若干高く、「設備の規模が大きくなれば、コストメリットが出る」(同社担当者)としている。