JR東海の柘植康英社長は3日、大阪市で記者会見し、政府の経済対策にリニア中央新幹線の大阪延伸開業の前倒し支援が盛り込まれたことに関し、「(2045年予定の大阪延伸計画から)最大8年の前倒しに向けて全力を挙げる」と述べた。同時に、8年を超える短縮は不可能との見解を重ねて示した。関西の経済界や自治体からは大阪までの全線同時開業を求める声があるが、柘植社長は「品川と名古屋の間は難工事で余裕がない。名古屋以西(の工事)を重ねるのは無理だ」と説明した。
財政投融資を活用して3兆円規模の資金調達が可能になることについて、柘植社長は「金利高騰や資金調達、返済のリスクを低減する効果がある」と歓迎しつつも、「自己負担の原則は変わらない」と強調。ルート選定などをめぐる政治的な介入は避けたいとの思いをにじませた。