ランチでは素材の良さをアピールする【拡大】
■現地店舗へ訪日客取り込み
居酒屋の「塚田農場」や「四十八漁場」などを運営するエー・ピーカンパニーは、インバウンド(訪日外国人)対策を強化する。その一環として団体向けの限定ランチを投入。素材にこだわったメニューを提供することによって、和食の素晴らしさを訴求し、リピーターの確保につなげる。また、同社では中国を中心としてアジアでの事業展開に力を入れており、日本で和食ファンになった顧客層が現地の店舗に足を運ぶという流れを加速する。
ランチは「チキンレッグ照り焼き」や「鶏塩コラーゲン鍋」といったメインと、「だし巻き玉子」や「若鶏の骨付き唐揚げ」などサイドメニューによって構成。利用者の食文化や宗教に応じたメニューを選択できるようにした。また、特別な冷凍技術を施した鮮度のよい刺し身や宮崎や熊本県、北海道産の野菜など、生産者がこだわった素材をふんだんに使用している。
一般向けの昼食を出していない160店舗で提供し、価格は1500、2000、2500円に設定。これまでは月間平均で1000人がランチ時に利用していたが、5000人程度まで増やしていく。
観光庁の調査によると、訪日外国人が訪日前に期待していたことで、最も多い回答が「日本食を食べること」。外国人観光客は訪日回数を重ねるごとに、個人や少人数旅行に移行する傾向が強いため、団体向けランチを通じて素材をはじめとした質の高さをアピール。再来日時の塚田農場などの利用を促す。
また、「食材に興味を抱いてもらうことにより、生産地に訪日外国人が向かうようになればいい」と米山久社長は話している。