北陸電力が、西日本の大手電力4社による原発の事故対応や安全対策に関する提携に加わることが4日、関係者への取材で分かった。地理的に近い5社が連携して危機管理体制を強化し、将来的な原発の廃炉作業のコスト削減も図る。北陸電は近く正式に協定を結ぶ見通し。
関西、中国、四国、九州の大手電力4社は4月に提携で合意した。
北陸電志賀原発(石川県)は関電美浜原発(福井県)と直線距離で約170キロと比較的近く、事故時に迅速な相互支援ができると判断した。
具体的には、事故が起きた電力会社の原発に他社が職員の派遣や重機、消耗品の提供を通じて支援し、復旧手順の助言をすることを想定する。
提携には廃炉の技術開発も含まれる。北陸電の志賀原発1号機は原子炉建屋直下に活断層の存在が指摘され、廃炉となる可能性がある。北陸電は志賀原発1、2号機ともに廃炉にする場合は約1260億円の費用がかかると見積もっており、提携効果でコストが減ればメリットが生じる。
北陸電は原子力規制委員会の新規制基準対応などに伴い志賀原発の安全対策工事を進めており、多額の投資が必要な事情も提携参加を後押しする要因になったようだ。