シャープに続く“被買収予備軍”多数…IoTで「モノづくり」再構築急げ (3/3ページ)

 しかし、企業向けや特定ユーザー層相手のビジネスは利益率が高い半面、グローバル市場に打って出る競争力は磨きにくい。収益性の悪い事業は手放すことになり、日本の製造業はアジア系企業の“草刈り場”になりかねない。

 新たな価値を創出

 IoT(モノのインターネット)による製造・サービスの“変革”が叫ばれているが、家電や各種機器からデータを集めるだけでは変革はおぼつかない。ドイツでは産官学でIoTを軸に世界的競争力のある次世代製造業への脱皮を目指す。日本でも官民連携のIoT支援策が盛んだ。

 しかし、「州や都市ごとにボトムアップで産業集団ができているドイツと、明治時代からの一貫した中央集権的政治体制や研究体制、政府主導の産業支援策が根強い日本では事情が異なる」(三菱総合研究所企業・経営部門)。英ARMを3兆3000億円で買収するソフトバンクグループの孫正義社長は7月18日、ロンドンで開いた記者会見で「IoTは次のパラダイムシフトだ」と強調した。

 日本の製造業がIoTが生み出す新たな価値をものにできるかどうか。シャープの鴻海グループ入りが液晶事業だけに固執した末の決着ならば、オンリーワンとは好対照となるIoTの果実は製造業の枠を超えたことにあるのかもしれない。(芳賀由明)