武田子会社の買収に日立が名乗り 富士フイルムなどと争奪戦

 日立製作所が武田薬品工業に対し、同社子会社の和光純薬工業の買収を提案したことが17日分かった。関係者によれば、武田が実施した和光純薬を売却する入札で、日立は子会社の日立化成を通じ応札した。富士フイルムホールディングス(HD)や複数の投資ファンドも和光純薬の買収に高い関心を示しており、争奪戦となりそうだ。

 和光純薬は創薬系試薬で国内首位。2016年3月期の売上高は757億円。武田は和光純薬の株式の約7割を保有し、売却額は1000億円規模になる見通しだ。

 日立はヘルスケア事業の強化を打ち出しており、18年度に同事業の売上高を15年度比3割増の4400億円に引き上げる計画だ。和光純薬の買収で同事業の拡大を目指す。

 和光純薬の入札には、富士フイルムHDや英投資ファンドも応札したもようだ。ヘルスケア分野は成長事業のため、今春の東芝メディカルシステムズに続いて、争奪戦が激しくなる可能性がありそうだ。