ポスト「京」スパコンに初の7ナノ半導体 100倍の処理性能…大幅に上回るか (2/3ページ)

スパコン「京」は、処理速度が100倍以上になる見通しのポスト「京」に置き換わる予定だ=神戸市中央区
スパコン「京」は、処理速度が100倍以上になる見通しのポスト「京」に置き換わる予定だ=神戸市中央区【拡大】

 メモリー積層化技術やデータ伝送技術もレベルアップさせ、システム性能を大幅に向上させる。官民合わせて総額約1300億円という開発予算や、消費電力を「京」の3~4倍に抑えるという制約を考慮しても、演算速度は最大で毎秒1エクサ回を上回る見通しだ。

 理研は10日、ポスト「京」の開発状況報告で、性能目標は当初通りとする一方、開発スケジュールが20年度から1~2年遅れると発表した。ただ「順調に進めば(遅延は)1年以内」(フラッグシップ2020プロジェクト企画調整室)で、21年度中の運用開始を目指す。

 命令仕様あす発表

 富士通はポスト「京」の半導体の論理設計に英アームと共同開発した汎用(はんよう)性の高いスパコン用命令仕様を採用する。設計した半導体は受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が7ナノメートル技術でいち早く量産する計画だ。

アームの命令仕様に基づく半導体のシェアはスマートフォンで95%…