
愛知県営名古屋空港に引き返し、着陸するMRJの試験1号機=28日午後【拡大】
三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を進めている国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が28日、米国で飛行試験を行うため愛知県営名古屋空港を離陸した後、約2時間15分後に同空港に戻った。27日も米国に向けて飛行を試みたが、離陸直後に引き返していた。いずれも空調システムの不具合が原因という。
三菱航空機は機器の点検に時間がかかるため、次の飛行時期は未定としている。8月中にMRJを米国に移す方針を示していたが、週明けには台風の接近もあり厳しい見通しとなった。MRJ開発は延期が続いており、2018年半ばに予定している初納入の遅れにつながる恐れもある。半世紀ぶりの国産旅客機開発の難しさを改めて露呈している。
三菱航空機によると、27日は飛行中に空調の異常を示す表示が出た。28日朝までの点検で空調を監視するシステムに故障があることが分かり、修理したが、28日の飛行でも同様に空調の異常を検知した。同社は原因を調べている。