
帝人が試験販売しているスーパー大麦使用のグラノーラ【拡大】
善玉菌の栄養源となる成分を大腸の奥まで届けるため、小腸や大腸の上部で消化されない栄養源が必要だ。妹脊さんらプロジェクトチームは、スーパー大麦にレジスタントスターチが一般の大麦に比べて約4倍も含まれることに着目した。
レジスタントスターチは、小腸内で消化・吸収されることがないでんぷん。これが大腸の奥まで届けば、善玉菌の栄養源となり、腸内環境のバランスを保つ酪酸が産出される。帝人の研究施設で解析した結果、スーパー大麦の粒内では、レジスタントスターチが水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に包まれた構造であることが判明。「消化・吸収されずに大腸の奥まで届くことが期待されている」(妹脊さん)という。
帝人は7月から、スーパー大麦を使用したグラノーラとショートバーの通信販売を順次開始。今月からは、都内のカフェレストランが、リゾットやサラダ、スープなどのオリジナルセットメニュー(税別1500円)、ガトーショコラ(同500円)などを提供する。妹脊さんは「食品メーカーなどに採用してもらいたい」と話している。