国内の化学・合繊メーカーが自動車関連部品の供給に力を入れている。運転支援システム関連の部品を開発するほか、部品メーカーの買収などにも乗り出している。着実な成長が見込める自動車産業に投資することで、事業基盤を強化するのが狙いだ。
旭化成は、2016年度中に自動ブレーキシステムなどに使われるミリ波レーダー用の高密度集積回路(LSI)の供給を始める。携帯電話といった家電製品向けに培った技術を自動車向けに応用。自動車関連の製品を販売するため、今年4月に営業を開始したドイツの子会社を拠点として、欧州の自動車部品メーカーに売り込みをかける。
同社は25年に自動車関連事業の売上高を現在の3倍の3000億円規模に拡大する方針で、車の内外装に使われる樹脂繊維の販売も増やしたい考え。
三井化学は、車載向けカメラレンズの材料開発に注力する。スマートフォン向けに供給している樹脂製レンズの耐熱性を高め、車載できるよう改良した。同社は14年度から自動車素材などモビリティー領域を重点事業に位置づけており、今後も拡大していく方針。
東レは、安全意識の高まりによる需要増を背景にエアバッグ用の生地を増産する。東レは100億円かけてメキシコにエアバッグに使用する生地の工場を新設。18年3月の稼働開始を目指しており、生産能力を現状から3割引き上げる。
帝人は今月13日、米自動車部品メーカー、コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP)の買収を発表。CSPが持つガラス繊維を使った軽量素材の加工技術を取り込み、自動車向け複合材料製品の事業を強化する。
帝人幹部は「自動車産業は、安定的な成長が見込める魅力的な分野だ」とし、今後も自動車部品の開発を進めていく考えだ。