そのため伊藤さんは、採用面接や実務を担当する社員と密にコミュニケーションを取り、「どのプロセスならすぐに変えられるか」を見極める。地方企業との物理的な距離を埋めるべく、さまざまなコミュニケーションツールを駆使して関係性を築いている。
こうした企業支援の一方で、伊藤さんは「働く人たちが非正規雇用を本当の意味で活用できるようにしたい」と考えている。労働時間に制約がある人たちが働く場を探す際には、さまざまな雇用形態の中から自分に合ったワークスタイルを選べることが大切。今後は家族の介護に時間を割かれ、フルタイムで働けない人が急増することも予測される。
地方で頑張る事業会社の採用を支援することは、より多くの人に柔軟な働き方を提示することにもつながっているのだ。
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【プロフィル】山口征人
やまぐち・まさと サーキュレーション執行役員、経営戦略本部長。1981年生まれ。慶應義塾大学大学院理工学研究科を修了後、総合人材サービス大手を経て、2014年サーキュレーション創業に参画。ビジネスプロフェッショナル約2000人超に直接インタビュー、個人の強みを生かしたコーディネートを実施。「新しい働き方」実現に向けて邁進(まいしん)。