モノづくりでは「カイゼン」が世界の共通語になり、飽くなき努力が続けられているが、情報づくりの改善活動は一過性で、生産性を押し上げる力を持っていない。
この状況を打破するには基本的な仕掛けが必要で、次の対策が活動の基になる。
第1はホワイトカラーの改善提案の充実。1カ月当たりの提案目標数を定め、個人評価項目の対象にして、提案を仕事の一つとして、役割を明確にする。
第2は改善活動の結果を課長の評価項目に加える。組織の競争力向上のために、課長がリーダーシップを発揮して、成果を確実にする。
◆第三者への委託も
第3は実益の創出に徹すること。改善成果の管理点を「時間と経費」の創出に置き、この成果に対する表彰制度を設ける。意欲の継続を図り、当たり前に改善活動ができるようにする。
これらは今すぐにでも可能な活動だ。このような活動を展開すると推進力として柱の必要性が理解できる。うまくいかない原因が経営の力不足なのか、リーダー不在なのか、社内の抵抗が強くて対応しきれていないのか。自社でうまくいかないときは、早期にニーズに合った実績のある第三者に社内改善を委託する必要がある。
次回はホワイトカラーの仕事ぶりについて解説する。
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【プロフィル】石橋博史
いしばし・ひろし 1962年、矢崎総業に入社。86年システム科学を設立し、現職。トヨタ生産方式や生産工学をもとにした業務革新の実践・支援ツール「HIT法」の開発、導入、コンサルティングを手掛ける。2010年2月、「業務プロセスの可視化法とチャート作成システム」で特許を取得。77歳。東京都出身。