
イオン銀行が運用している「移動金融車」【拡大】
過疎地の赤字店舗に悩む地方銀行や信用金庫が、サービスを維持しながらコスト削減が期待できる切り札として「移動金融車」を導入する動きが広がっている。現金自動預払機(ATM)や窓口を備え「災害にも強い」(地銀幹部)ことが特徴で、販売している自動車リース大手のオリックス自動車には注文が相次いでいるという。
東日本大震災で店舗が被災した東北銀行(盛岡市)からの要請をきっかけに、オリックス自動車が開発を開始。1973年の創業から約40年間で培った開発力やネットワークを生かして、完成にこぎ着けた。
昨年9月の関東・東北豪雨では、常陽銀行(水戸市)に納入した自家発電機搭載の移動金融車が、電源車として活躍。4月の熊本地震では、イオン銀行の車両が現地に乗り入れてサービスを提供するなど、災害時に力を発揮している。
新たな営業手法として移動金融車で法人顧客の企業・工場に出向き、その場で住宅、教育ローンの相談などを行うケースも増えてきた。
販売開始当初の価格は1台当たり1億円以上だったが、タイプを3つに限定するなどしてコストを削減し、現在は半分以下に抑えているという。
地銀などの店舗統廃合が加速する中、3月末時点では地銀、信金、JAバンク、日本郵便などが計40台強を走らせている。オリックス自動車の香田章親特装プロジェクト部長は「将来的に市場規模は数百台に膨らむ」と期待している。