
「SLIDで第2次電子立国を目指す」と意気込みを語るAOTの井上克己社長=東京都千代田区【拡大】
独立系システムインテグレーター(SI)の日本コンピュータ・ダイナミクス(NCD、東京都品川区)は2015年春、AOTの技術を取り入れたデータ検索の開発に着手。8月25、26日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれた産学連携総合見本市「イノベーション・ジャパン2016」で実用化システムを公開した。
範准教授のブースではSLIDによる画像認識、データベース検索、全文検索の3つのシステムを展示公開。ノートパソコン程度の電力で大型サーバーの性能を大幅に上回る高速処理が可能になる。AIの専門家、兵庫県立大学の松井伸之教授は「人工知能の進化を大幅に加速化できる」と期待する。
また神戸大学大学院システム情報学研究科の大川剛直教授のブースは、同技術を使ったIT創薬に関わるシステムを展示した。同研究室はIT創薬関係の処理の高速化を目指し、これまで約100時間必要だった創薬用のデータ解析が1分以内に短縮されたという。創薬に詳しい東京大学の津本浩平教授は「高額なスパコンを利用しなくても特定のがん細胞に有効な創薬研究が可能になる」といった高い評価を受けている。