
日本製紙の詰め替え容器「SPOPS(スポップス)」。シャンプーを30秒以下で移し替えられる【拡大】
現在の方法では、パウチと呼ぶプラスチック製詰め替え容器の端を切り、ボトルに自ら注ぎ入れることが多い。しかし、この方法だと注ぎ終えるまでに時間がかかるうえ、手元が狂ってこぼすことも少なくない。これに対し、スポップスは約4分の1の30秒以下で済む。
シャンプーの中身は、シャワーを浴びているときに初めて、なくなったと気づくケースが多い。しかし、中身を移し替えようにも、大抵は手が滑って手元が狂いやすい。スポップスはそうしたイライラとも無縁だ。
一方、環境負荷が少ない点でもスポップスは優れている。箱形で、段ボールに隙間なく詰めることができるため、パウチに比べて必要なスペースが容積ベースで45%も少なく、二酸化炭素(CO2)の排出を削減できる。紙に置き変わることで化石資源の使用量も減らせる。
同社は今年4月、紙容器を含むパッケージ事業を強化するため、社内に「パッケージング・コミュニケーションセンター」を新設。スポップスはこの部署から生まれた。製紙業界は、電子媒体の普及や人口減による紙需要の減少という、深刻な問題に直面しているが、新規需要を開拓する貴重な存在となりそうだ。