名作アニメ「機動警察パトレイバー」、新鋭・吉浦康裕監督でREBOOT (2/2ページ)

「機動警察パトレイバーREBOOT」場面 (C)HEADGEAR/バンダイビジュアル・カラー
「機動警察パトレイバーREBOOT」場面 (C)HEADGEAR/バンダイビジュアル・カラー【拡大】

  • 右から出渕裕さん、吉浦康裕さん、氷川竜介さん
  • 「機動警察パトレイバーREBOOT」監修でメカニカルデザインの出渕裕さん
  • 「機動警察パトレイバーREBOOT」を監督した吉浦康裕さん

 長年のファンに受け入れられることに加え、吉浦監督にはもうひとつの願いがあった。それは、パトレイバーという作品が今後も続いていくこと。そのためには「この1本がめちゃくちゃ大事だと思った」という。「パトレイバーに対して未来があるような作り方にしたい」。リブート、すなわち再起動と銘打って送り出したパトレイバーが、これで終わっては意味がない。そんな思いもあって、「短編だが全部盛りにした。物語からキャラクターから世界観から全部入れた」と訴えた。

 出渕氏も「何しろリブートだから。具体的に何か動いている訳ではないが、再来年が30周年だから」と話して、再起動後の展開に期待を持たせた。「勢いで作った感じで今は燃え尽きでいるが、これで終わらないことを願っている」と話した吉浦監督に、「よろしくお願いします」と何度も言った出渕氏の言葉から想像するなら、「機動警察パトレイバーREBOOT」の世界観を起点に、新しいパトレイバーの物語が作られていく可能性がありそうだ。

 吉浦監督自身にとっても、パトレイバーへの参画は大きな意味を持ちそう。大学時代から個人でアニメーション制作を手がけて注目され、2005年に「ペイル・コクーン」で商業デビューを飾った吉浦監督。新海誠監督の「ほしのこえ」と同様に、監督・脚本・制作をひとりで手がけた作品で、個人の感性や才能を活かしながら、商業的にも通用する作品が増えていくきっかけのひとつになった。

 吉浦監督はその後、WEBで配信した作品をまとめた「イブの時間 劇場版」を2010年に手がけて映画にも進出。これも新海誠監督と同じで、自身の感性を色濃く出しながらも、大勢のスタッフを使って完成度の高いアニメーションを作るようになっていく。2013年には、SF的な世界観を持ったオリジナルの長編作品「サカサマのパテマ」を劇場公開。第17回文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門で優秀賞を獲得した。

 2014年からスタートし、第35話まで作られた「日本アニメ(ーター)見本市」でも、「POWER PLANT NO.33」「ヒストリー機関」という2作品を監督した。満を持して作り上げた作品がこの「機動警察パトレイバーREBOOT」。1980年生まれの吉浦監督にとって、子供の頃からアニメーションや漫画で楽しんできたパトレイバーが、14年ぶりにアニメーション化される可能性があると聞いて即座に「自分がやります」と手を挙げた。

 「恵まれた素晴らしい体験ができた」と吉浦監督。「僕自身が伸び悩んでいた時期に、自分のためになる良い作品を作らせていただいた」というから、アニメーション監督として転機になる何かをつかんだと言えそう。「再起動したパトレイバーシリーズに今後も関わっていくことで、これまで以上に名前を知られるようになり、その後の活動にも好影響が出てきそうだ。

 「機動警察パトレイバーREBOOT」は10月26日にバンダイビジュアルからブルーレイディスクやDVDが一般向けに発売。ブルーレイの特装限定版は税抜き5000円、DVDは3000円。