日銀“非常手段”の指し値オペ トランプ相場に苦渋の策も効果不透明

 日銀が非常手段である「指し値オペ」を初めて実施したのは、ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利後、日本の金利が急上昇し金融緩和による低金利の効果が吹き飛んでしまうと危惧したためだ。ただ今回の指し値オペでは金融機関からの応札はなく、日銀の思惑通りに金利をコントロールできるかは不透明だ。

 市場では米大統領選後、トランプ氏が唱える公共投資拡大などの政策がインフレを招くとの見方などから米国の長期金利が急上昇し、日本市場にも波及。長期金利の指標である新発10年債の利回りがマイナスで推移していた状況が一変し、16日には一時0・035%まで上昇して約9カ月ぶりの高水準となっていた。

 日銀の黒田東彦総裁は17日の参院財政金融委員会で、「米国の金利が上がったからといって、自動的に日本でも金利の上昇を容認することはない」と強調した。

 日銀は9月に政策目標をお金の「量」から「金利」に転換し、短期金利でのマイナス金利政策に加え、長期金利を0%程度に誘導する目標を設定。急速な金利上昇を防ぐ措置として指し値オペを導入した。

 今回の指し値オペは買い入れ価格が安く、取引は成立しなかったが、市場では「(今後の金利急騰を牽(けん)制(せい)した)事実上の口先介入」(証券アナリスト)とみられている。ただ、指し値オペでうまく金利を調節できなければ、日銀への追加金融緩和圧力が高まる可能性もある。(飯田耕司)