パナ、20年にも完全自動運転EV 横浜で試作車走行試験

2016.12.1 05:00

 パナソニックが、完全自動運転が可能な小型の電気自動車(EV)の開発に向け、実証実験を進めている。画像認識技術や人工知能(AI)を活用し、2020年ごろの完成を目指す。車自体の販売は想定しておらず、将来的に自動車メーカーへの技術提供や設計の請負などにつなげる狙いだ。

 自動運転車は国内外の自動車メーカーやIT企業などが開発を競い、政府も成長戦略の重点項目に位置付けている。パナソニックも車載用電池やセンサー、カメラといった自動車関連事業を収益の柱に育てる考えだ。

 実験中のEVは2人乗りの小型車で、時速40キロ以下の低速走行が基本となる。現時点では商業施設など限定されたエリアでの利用を想定している。

 車載カメラやセンサーを複数設置して、前後左右の状況を確認し、衝突を回避。AIや衛星利用測位システム(GPS)なども活用し、完全な自動運転の実現を目指す。

 横浜市に設けたテストコースで、既に試作車の走行試験を始めた。本年度中に大阪府門真市の本社で公道に近い環境での実験も行い、その後は実際に公道を走らせることも視野に入れる。同社の担当者は「乗用車以外にも農業用トラクターや物流施設のフォークリフトなど、幅広い技術展開が考えられる」と見通している。

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