「イヤだ、嫌だ」と、どんなに足踏みをしたところで、もはや「従来通り」に戻ることは、時代も社会も許さない。カジノが実現しようがしまいが、自らを娯楽として律し続けることができる環境整備に邁進(まいしん)するしかない。時間の容赦ない流れの中、人間がいくら望んでも過去に戻れず、これからを良いものにしていく努力しかできないのと同様、企業・産業も「良かったあの頃」には戻れない。できることは、「良かったあの頃と同じくらい満足できる未来を作ること」だけだ。
もはや、業界に携わるすべての人が前を向き、産業の持続可能な未来に備える時期にきている。
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【プロフィル】濱口理佳
はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。