
東北六魂祭パレードに登場した秋田竿灯まつりの踊り手たち=11月20日、東京都港区【拡大】
その芽が出つつある。森ビルの大森みどり都市開発本部統括部長補佐は「虎ノ門ヒルズが誕生したことで、クリエーティブな人やイノベーターが集まるようになり、ワークスタイルが変わってきた」と指摘する。当初は、いすやベンチを置きすぎたと懸念していたが、今では不足している状態。2階のオープンスペース「オーバル広場」の芝生の上で寝転がってパソコンをたたく風景も珍しくはない。
森タワーから始まる一連のプロジェクトが完成すれば、ビジネスタワーにはイノベーションセンターが開設され、大企業とベンチャーの交流が始まる。ステーションタワーにも新たなビジネスやイノベーションを起こす文化交流拠点を設ける。
都市間競争での東京の弱みは文化・交流や交通アクセスといわれており、文化・交流の活性化は東京の磁力向上をもたらす。
2008年から世界の都市総合ランキングを調査・発表している森記念財団都市戦略研究所の竹中平蔵所長は「訪日外国人誘致で不可欠なのが都市力向上。ビジネス環境だけでなく、芸術などエンターテインメントも重要だ」と指摘する。万年4位だった東京が今年初めて3位に浮上したが、押し上げ要因の一つが文化・交流のスコアアップだ。
森ビルは、事業のテーマの一つに「文化・芸術」を掲げ、文化あふれる街づくりに取り組んできた。六本木ヒルズは文化都心として再開発。森美術館などの文化・教育施設のほか、09年からは現代アートやパフォーマンスなどの多様な作品を街中に飾ることで、非日常的なアート体験を味わえる「六本木アートナイト」を開催している。グローバルビジネスセンター・虎ノ門ヒルズにも、この地にふさわしい文化を創り上げる考えだ。
森ビル前会長の森稔氏は「龍になれ、雲、おのずから集まる」を座右の銘としていた。「志が高ければ協力者や賛同者が自然と現れる」という意味だが、世界からビジネスプレーヤーを集める虎ノ門ヒルズには都市開発やイノベーティブ、クリエーティブな人々が集まり、新たなカルチャーを持つ未来都市が生まれようとしている。(松岡健夫)