--学生が提案するアイデアをどう評価する
「今回が3回目だが、毎回成長している。地元の金融機関や自治体など支援機関のサポートもあって、例えばマーケットリサーチも競合商品・サービスや価格などをしっかり調べてプレゼンテーションに臨んでいる。すばらしい発表をするので、表彰も今は優秀賞だけだが、アイデアを商品として実現しやすい現実賞、プラン賞など部門賞を設けたらいいかもしれない」
--課題も見えてきたのでは
「中小企業が学生のアイデアを事業化するまでの時間がかかりすぎる。スピードアップに向けた態勢づくりが求められる。このため参加する中小企業を増やしたり、ファンドを活用したりしてフォローアップしていきたい。中小企業も自ら情報を収集していくべきだ。学生ともっと緊密にコミュニケーションをとってほしい」
「また、単なるアイデアコンテストになるとビジネス化が遠くなる。学生のアイデアを実現させるのが重要で、中小企業も使えそうなアイデアを見つけたら、従業員や施設を貸して一緒に商品化を進めたり、学生をリーダーとして採用したらいい。中小企業は第2創業のきっかけになるとの自覚を持つべきだ。これまでにノウハウを貯めたのでアイデアを実現させるためのスキームづくりに動く。来年はバージョンアップする」
--学生には起業家の道を開くのでは
「支援機関と一緒になって事業化のアイデアを磨いていくので、その過程でビジネスをする上で必要なことも学ぶ。中小企業へのアイデア移転の一方で、自ら起業して大学発ベンチャーを目指してもいい。若い時の失敗や痛みは将来の糧となり必ず役立つ。企業側も起業意欲の高い学生を採用したらいい」