
まとめサイトの無断転用等の問題を受け会見したディー・エヌ・エーの(左から)小林賢治経営企画本部長、守安功社長、南場智子会長=7日午後、東京都渋谷区(桐山弘太撮影)【拡大】
DeNAのキュレーションサイトは、何が問題だったのか
今回、DeNAのキュレーションサイトが問題になった理由は、大きく分けて2つある。
1つは、WELQにおいて、医療の専門知識を持たないライターが書いた医療系の記事を掲載していながら、その内容についての正確性を担保せず、不正確な内容の情報を公開していたということだ。薬機法(旧薬事法)違反の記事も多くあり、11月28日には東京都の福祉保健局にDeNAの担当者が呼び出され、指導を受けるという事態にもなっていた。これについて守安社長は「当初、WELQは筋トレなど、ライトなヘルスケア情報のサイトということで昨年(2015年)8月にスタートした。外部から『WELQの医療情報(の信憑性)はどうなの』と言われるようになったのが、今年の夏ごろの話。医療情報に関しては、公開された記事をあとから監修していけばいいと考えていた。世間の認識とズレていた、甘かったと反省している」とコメントしている。
もう1つはMERYやiemo、Find Travelなど、同社のキュレーションサイト全てに関わる、記事の制作プロセスである。一般のメディアサイトであれば、編集部があり、外部スタッフ(ライターや編集協力、カメラマンなど)と協力しながら、取材などを元にオリジナルの記事を制作していくのが常だ。しかしDeNAのキュレーションサイトではオリジナルの記事を書く代わりに、外部のサイトに書いてあることを無断でコピー&ペーストし、文末を少し書き換えてまったく同じ文章にならないようにすることで“オリジナル”な記事に仕立てる、という作り方をし、制作コストを極端に低く押さえていた。これは他サイトに掲載されていたコピー元の記事を書いた人たちの著作権侵害に当たるのではないかという指摘だ。