
ランサムウエアに感染したスマートテレビの画面(トレンドマイクロ提供)【拡大】
横浜国立大大学院の吉岡克成准教授(情報システムセキュリティー)は、すでに世界中にある130万台以上がウイルスに感染していると指摘する。
同大のネットワークに対するサイバー攻撃の観測で分かった。発信元のIPアドレス(ネット上の住所)ベースで昨年10月の1カ月間に集計した。感染機器が、さらにウイルスをまき散らしているという。
ウイルス感染している機器の種類は500以上と推定している。ビデオ録画機や監視カメラ、家庭用ルーターが多いが、火災報知システムや医療機器も確認したという。吉岡氏は「医療機器などが乗っ取られている場合は問題が大きい」と話し、早急な対策を呼び掛ける。
◆自動車乗っ取り
自動車をハッキングする実験もすでに国内外である。広島市立大大学院の井上博之准教授(情報工学)は、車にネット接続する機器を取り付け、外部から遠隔操作できる手法を発表している。今後、本格的な自動運転車が登場することで、セキュリティーのリスクは高まる。危機感を募らせた各国の自動車メーカーや国連機関がサイバー攻撃の被害を防ぐ対策づくりに動いている。
政府は、2015年9月に決めた「サイバーセキュリティ戦略」に、IoT機器に関する対策強化を盛り込んだ。機器の設計段階から安全性を考える「セキュリティー・バイ・デザイン」という考え方を打ち出している。
内閣サイバーセキュリティセンターの結城則尚企画官は「将来、ほとんどすべてのものがつながることを前提にして、今から包括的な対策を進めることが必要だ」と話した。