
米インディアナ州にあるトヨタ自動車の工場(AP)【拡大】
トランプ米大統領の自動車メーカーに対する“口撃”が米国に投資を呼び込み始めている。トヨタ自動車は24日、米インディアナ州の工場に約6億ドル(約680億円)を投じてスポーツ用多目的車(SUV)を増産し、約400人を新規雇用すると発表した。米国での雇用拡大を求めるトランプ政権の意向にトヨタが配慮した格好で、自動車業界の新規投資が米国に集中する可能性も出てきた。
トヨタが増産投資を決めたインディアナ州はペンス米副大統領が州知事を務めた地元。トヨタの豊田章男社長は10日に就任前の同副大統領とワシントンで会談していた。同工場ではSUVの「ハイランダー」や「セコイア」などを2016年に40万台超生産。ガソリン安を背景に米国でSUV需要が増えているため、最新の設備や生産技術を導入し、19年秋からハイランダーの年間生産台数を4万台増やす。これにより米国で新規雇用が生まれるのは確かだ。
トヨタをめぐっては、今月5日、就任前のトランプ大統領から、同社が進めるメキシコでの新工場建設計画について「米国に工場を造るか、巨額の税金を払うかどちらかだ」と迫られた。これを受け、トヨタの豊田社長は9日、今後5年間で米国に100億ドルを投資する方針を表明していた。