飲食店店員が使う“耳障りな言葉” 「少々お待ちください」に違和感があるワケ (2/3ページ)

2017.1.27 06:45


【拡大】

 実際に「すぐ」に客席へ向かえるかはさておき、「すぐうかがいます」という言葉には、スタッフ自身の能動的なスタンスが込められているのです。「ちょっと時間をください」という本質的な意味は変わらないものの、相手に待てと言うのか、それとも自分が急ぎますと言うのか、両者が与える印象は実は大きく異なります。

言葉選びの難しさ

 もうひとつ気になる表現は、「空いたお皿をお下げしてもよろしいでしょうか?」というものです。すでに食べ終わって空になっている皿を下げる際に、この言葉を発する店員さんは多くいます。もちろん、まだ料理が残っているとか、あるいは皿についたソースをパンですくって食べるかもしれないとか、店側にとって判断に迷うときに尋ねる分にはまったく問題ありません。

 しかし空っぽの皿で、どう考えてもそれは下げるべきだろうという状況においても、こうした問いを投げかけられることは、かなり多いものです。無用なトラブルを回避するために設定されたマニュアルなのか、あるいは当人が何も考えずに機械的に聞いているだけなのかはわかりません。ただし、少しでも観察していれば下げてよいかどうかはわかるはずで、そんなときには「空いたお皿はお下げしますね」と言えば良いだけなのです。

 「少々お待ちください」や「お下げしてもよろしいでしょうか」を気にする私は、冒頭の敬語の誤りを指摘する人たちと大差がないことは自覚しています。けれども、同じ意味を伝えるにしても、その言い方やそれがどんなシーンなのかによってニュアンスが大きく変わってしまうのが接客の難しさです。正解がないからこそ、店側としては「自分たちはどのような言葉を選ぶべきか」には、もう少し自覚的であっても良いように思います。

「カフェではあまりきちんと接客しすぎちゃダメ」

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。