東電、再建計画骨子の月内公表見送り 改定時期も持ち越しへ “天皇陛下の譲位”が影響?

 東京電力ホールディングス(HD)が、改定中の再建計画「新総合特別事業計画(新総特)」骨子の月内公表を見送ることが29日までに分かった。再建への意思を社内外に早期に示すため、31日の2016年4~12月期決算の発表と併せて公表する方向で調整してきたが、作業の遅れなどから困難と判断した。16年度内を目指していた計画の最終的な改定時期も今年4月以降に持ち越される可能性がある。

 東電は昨年末に経済産業省の有識者会議がまとめた東電改革のための提言に沿って、14年に政府認定を受けた再建計画の内容を大幅に見直す作業を進めている。

 総額22兆円に膨らんだ福島第1原発事故の対応費用の約7割を自力で賄うため、送配電や原子力事業で他電力との「共同事業体」を設立することや柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働などを盛り込む見通しだ。

 経産省は当初、再建計画の改定時期を「年初」としていたが、有識者委員会で内容を精査する時間が必要なこともあって後ずれを余儀なくされている。同省幹部は「(6月の)株主総会までに出せばいい」と話す。

 今国会で天皇陛下の譲位に関する議論が本格化することから、「野党の反発を呼びかねない東電の再建計画を同時進行で審議することに政府が難色を示したのではないか」(電力関係者)との声も上がる。

 再建計画の改定遅れは経営への影響も必至だ。火力発電事業では東電HD子会社と中部電力の共同出資会社「JERA(ジェラ)」に一本化する方向で調整しており、中部電力は完全統合の判断時期について「3月をめどに判断したい」(勝野哲社長)としていた。

 だが、再建計画の内容を確認できないうちは最終判断ができなくなる。また、取引先金融機関との交渉にも支障が出かねない。