ピコ太郎も「YouTube(ユーチューブ)」にアップしたプロモーション動画がヒットの発信源。ピコ太郎が所属するエイベックスとしては、宣伝費を掛けずにメジャー化させたことの意味は大きいだろう。CDアルバム「PPAP」の販売につなげることができたため、きわめて好採算だったはずだ。
ひょっとして宣伝広告は不要という時代が来るのではないか-。そんなことを考えていたところ、もう一つ興味深い話を聞いた。大手ゲームソフト会社の社長から聞いたのだが、「いまや続編の発表は公式サイトに情報を載せれば事足りる。1時間もすれば世界中のファンに広がっていく。かつては専門誌やウェブサイトに広告を打っていたがやめた」。
つまり、広告宣伝費(その主な受け皿であるマスメディアにとっては広告収入)は、大きな曲がり角に来ていることがわかる。かつては「宣伝をせずにクチコミでヒットにつなげていく」ことは珍しい事例だったが、今やネットクチコミの時代であり、クチコミヒットは続出している。マーケティングを行う側としては「宣伝費を使わずにヒットさせるのが一流」と評価される時代になっているのである。