
サッポロビールの主力ブランド「黒ラベル」【拡大】
特に地盤が弱かった西日本や首都圏のスーパーにも販路を広げつつある。今後は地域ごとのマーケティング活動を細分化し、黒ラベルがまだ浸透していない地域への売り込みを強化する。
ビール、発泡酒、第3のビールの酒税は26年までに3段階で350ミリリットル缶当たり54.25円に一本化され、ビールは現在の77円から減税となる。ビールの販売比率が比較的高いサッポロビールには追い風だ。
アサヒビールもビールに強く、減税による売り上げ増に期待をかける。今年はスーパードライの発売30周年限定商品を相次いで投入。「家庭用缶ビールは前年比で約1%増の販売を見込む」(幹部)
ただ、昨年のビール課税出荷数量は2年ぶりのマイナスで特に業務用が伸び悩んだ。こうした消費者の節約志向を踏まえ、他社も家庭用缶ビールを強化。キリンビールは地域ごとに味わいが違う「47都道府県の一番搾り」を昨年に引き続き4月から順次発売。サントリービールも高級ビール「ザ・プレミアム・モルツ」を5年ぶりに刷新する。ビール各社の顧客争奪戦が激化しそうだ。