【検証マイナス金利】(下)目立つのは副作用ばかり 生保商品、利回り維持に限界 (2/2ページ)

2017.2.17 07:00

住友生命保険は運用の高度化に乗り出している=東京・築地の本社バランスファンド運用部
住友生命保険は運用の高度化に乗り出している=東京・築地の本社バランスファンド運用部【拡大】

  • 大手生保4社の国債比率推移

 しかし、利回りは13年3月まで24%あり、18%では見劣りする。生保各社の貯蓄性商品における顧客離れは徐々に始まっている。

 一方の日銀の黒田東彦総裁。昨年初めから海外市場の混乱が続く中、「具体的に考えていない」と国会答弁で繰り返し否定してきた「奥の手」のマイナス金利導入を繰り出し、2%の物価上昇率目標の達成に不退転の決意を示した。市場予想を超える対応が必要と判断したためだ。

副作用ばかり目立つ

 しかし、予想外の動きが日銀の立場を危うくした。気がつけば、導入に向け収益への影響を最大限配慮したはずの銀行株が主導する形で、株価が下落。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をはじめとする年金運用や預金者にも影響が及ぶなど、住宅ローンの借り換え需要を除けば副作用ばかりが目立つ結果になった。

 日銀幹部は「本来、パイ(経済規模)を大きくする目的の金融政策が、『負け組』と『勝ち組』ができたとの議論に陥った」と肩を落とした。

 昨年9月の総括検証では、こうした“失敗”を踏まえ、市場の不意を突く形での追加緩和をしないことや金融機関に配慮した金融政策へ転換することで理解を求めた。また、中央銀行の金融政策で操作できないとされた長期金利を0%程度に誘導する「内外に前例のない革新的な方法」(雨宮正佳理事)による新たな金融政策も始まった。

 市中金利を下げることで、企業の設備投資が増え、事業拡大で得た利益が賃上げにつながり、個人消費が活性化する-。経済の好循環が続けば、2%の物価上昇率目標の達成がおのずと見えてくる。

 だが、米国など海外経済の回復で日本の金利も上昇し、日銀は金利操作に苦心している。不安定な原油価格やトランプ米大統領の為替政策に関する口先介入など、先行きの不安材料は少なくない。

 金融緩和だけで物価上昇や景気浮揚を実現するのは難しいとの見方も広がるが、日銀幹部は「2%達成をなんとしても実現する」との思いを強めている。(この企画は飯田耕司、米沢文、永田岳彦が担当しました)

【検証マイナス金利】(上)融資獲得より営業利益改善

産経デジタルサービス

IGN JAPAN

世界最大級のビデオゲームメディア「IGN」の日本版がついに登場!もっとゲームを楽しめる情報をお届けします。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

「ソナエ 安心のお墓探し」では、厳選されたお墓情報を紹介! 相続、葬儀、介護などのニュースもお届けします。