加えて、「パチンコで生活費を使ったから万引した」「パチンコ代欲しさに横領した」と便利な言い訳のように“パチンコ”が使われ、ニュースで垂れ流される日々。常識的に考えても、パチンコだけが理由でないことは分かるのだが、パチンコをしない人にとっては、その真意も詳細も「どうでもよい」。テレビからそう聞こえてきたら、パチンコは犯罪の原因になることが多い娯楽だと誤認する。カジノは何万人の雇用を創出するとアピールするIR推進派の議員の言葉も、パチンコホールだけで30万人近い雇用を創出している事実(総務省・経産省の経済センサス調査などで数値発表)に照らせば、こちらの雇用を守るほうが大事だ。この雇用を守り、プラス雇用を創出するのでなければ、カジノの実現理由は薄れてしまう。
人々の生活に寄り添う大衆娯楽でありながら、適切にその産業の実態を社会に公開してこなかった非は遊技業界にもあるが、そろそろ正確な認知を仰ぐ取り組みに本腰を入れてはいかがだろうか。
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【プロフィル】濱口理佳
はまぐち・りか 関西大学大学院文学研究科哲学専修博士課程前期課程修了。学生時代に朝日新聞でコラムニストデビュー。「インテリジェンスの提供」をコアにワールド・ワイズ・ジャパンを設立。2011年、有志と“LOGOSプロジェクト”を立ち上げた。