
居住実験を行っている住宅=奈良県王寺町【拡大】
新築の実験時に比べ大きく進化した“インフラ”は燃料電池だ。従来は家庭内の使用電力に合わせて発電していたが、今回は蓄電池が不要となり常に700ワットで稼働させることができるため、効率性は向上した。使われなかった電気は電力会社に売電する仕組みだ。
定格運転で増えた熱については、給湯に加え空調にも活用する。例えば夏場であればデシカント換気システムに送って除湿した空気をつくり、エアコンの負荷低減につなげる。冬場は床暖房に回すことで、室内の垂直温度差を縮めていく。大阪ガス・スマートエネルギーハウスグループの秋岡尚克副課長は「どの程度の量を空調利用できるのか、実験を通じて確認していきたい」と話す。
一方、積水ハウスが目標を掲げるのは「冬は陽だまり、夏は涼風など家の中で『気持ちいいな』と感じられる機会を増やすこと」(清水務・温暖化防止研究所課長)だ。このためIoT(モノのインターネット)技術を活用し、外部環境に応じてシャッターやサッシを制御するなど、「『カーテンを開ければ快適性が増す』といったことを、そっと教える仕組みを検証する」(清水課長)考え。また、賃貸アパートへの適用も視野に入れた実験を進めていく。