JFEスチールは2日、定時退社日を社員一人一人が決められる制度を4月から導入すると明らかにした。営業や生産など社員ごとの仕事内容が異なっているため、柔軟に運用できるようにする。三井物産は社員それぞれの事情に応じて勤務時間帯を最大90分ずらせる「時差出勤制度」を6月から導入すると発表した。三菱ケミカルホールディングスは傘下の企業で、会議の時間などを半減させることを検討している。
いずれも取引先が多い大手企業で、こうした働き方改革の取り組みは幅広い企業に影響を与えそうだ。
JFEの新制度は、午後5時半の定時退社日を週に1回以上、社員が管理職と相談して決める。当日、顧客対応などでやむを得ず残業することになった場合は、別の日に振り替えることができる。全社員の6割に当たる9500人が対象となる。
三井物産は通常の勤務時間は午前9時15分から午後5時半だが、新制度により午前7時45分から午後4時まで、午前10時45分から午後7時までといった働き方が可能になる。1日の所定労働時間の7時間15分は維持する。昨年6~8月に一部社員を対象に試験導入し好評だったことから正式に制度化することにした。
10月からは子育てなどの両立を支援する施策も拡充する。新たな両立支援策としては、延長保育代の一部費用を補助したり、家事代行サービスを割引で利用できたりする内容を打ち出した。
三菱ケミカルホールディングス傘下の3社を統合して4月に発足する三菱ケミカルは、会議の時間や回数、参加者の半減を目指す。海外拠点とのやり取りを除き、早朝や夕方の会議のほか土日の業務メールをやめることも検討しており、業務の効率化や長時間労働の是正につなげたい考えだ。