消費者の反応はいかなるマーケットにおいても正直だ。おいしいものは売れるし、便利なものを人は欲しがる。しかし、それは価格を考慮した上での話。いくらおいしい料理でも、一般的なサラリーマンは1回のランチに3000円は使わないだろう。
パチンコは玉を発射して、くぎに行く手を阻まれながらもそれを入賞させ、その玉を増やすことを楽しむ遊びだ。高度経済成長期を駆け抜けた私の父たちがそれに熱中したように、世代が違う私にとってもその遊びの本質は単純に「面白い」と感じる。ただ、その面白さが「高級ランチ」となっては手が出ない。本気で遊技人口回復を目指すのであれば、「安くて面白い」というキーワードは絶対に外せないと強く感じる。
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【プロフィル】岸本正一
きしもと・しょういち 1963年生まれ。元SEの経験を生かし、遊技場の集客メカニズムを論理的に整理・研究する傍ら、全国のパチンコホールを対象にコンサルティングを行う。雑誌への連載やテキストの出版、セミナーでの講演なども手掛ける。オベーション代表。