
子供と一緒に通えるリクルートホールディングスのオフィス=2月、東京都港区【拡大】
当初は「部下がどこにいるか分からない」などと混乱した。だが今では社員は出社すると慣れた様子で端末を使ってその日の働き方を選び、指定された席に着く。4人が向かい合う「コミュニケーション」や、仕切りがあり私語と携帯電話が禁止の「集中」といった具合だ。隣に座った違う部署の人の相談に乗るなど、社内業務のやり取りが速くなり、仕事の効率化につながったという。
味の素は18年度に、1日の所定労働時間を現在より35分少ない7時間に減らす目標を掲げる一方、家計への影響を見越して来月から全社員の月給を一律で1万円引き上げる。業務効率化で残業が減るのはうれしいが、収入も減ってしまうのではないかと懸念する声が少なくないことに配慮した。
浮いた時間で自己研鑽(けんさん)に励んでもらうのが狙いで、優秀な人材を確保するための先行投資の意味合いもある。西井孝明社長は「リーダーシップを持って長時間労働の解消の必要性を訴え、社員の意識を変えていかないといけない」と話す。
中央大大学院の佐藤博樹教授(人事管理)は「働き方改革の目的は長時間労働の削減だけでなく、時間意識の高い働き方の実現と多様な人材が活躍できる職場づくりで、3企業の取り組みは評価できる」としている。