
三菱自動車の「パジェロ」(提供写真)【拡大】
もちろんルノー・日産連合と三菱自動車の間でプラットフォームの共有化を進めるという方針に変更はなく、今後の開発計画はそれに沿ったものになることはまず間違いない。が、三菱自動車のクルマづくりについてはルノー・日産連合にとって都合の良いものだけをやらせるというのではなく、三菱自動車のブランドを生かす形で行うという姿勢が垣間見えるというのだ。
「思えばゴーンさんは、ルノーから日産に派遣されたときも、『フェアレディZ』や『GT-R』などのスポーツモデルを復活させました。これらは経営危機のなかで日産がスポーツカーの時代ではないと自分で捨てたものです。日産にやってきたときは“コストカッター”というイメージが先行していましたが、ブランドにとって大事なものは何かということを考える人でもあった」(前出のライバルメーカー幹部)
ブランドを維持しながら再生する意味
これはルノー・日産連合のもとでアイデンティティを失うのではないかと戦々恐々としていた三菱自動車関係者にとっては明るいニュースのように思える。が、それはゴーン氏から、最も険しい道での再生を求められているということでもある。「三菱自動車のブランドを維持して再生しろ、再生できなかったときは責任を取らせる」と言われているも同然だからだ。