アサヒとキリン、ビール鉄道共同輸送でCO2削減 北陸で年2700トン効果 (3/3ページ)

2017.3.20 06:02

アサヒビールとキリンビールが1月19日、鉄道を使った共同輸送を開始。両社の幹部らが出席して出発式が開かれた=大阪府吹田市
アサヒビールとキリンビールが1月19日、鉄道を使った共同輸送を開始。両社の幹部らが出席して出発式が開かれた=大阪府吹田市【拡大】

 札幌市に各社の商品を集約する拠点を設け、道内各地の卸売業者に鉄道とトラックを使って運ぶ。具体的な配送方法などは今後詰める。卸売業者にとっても商品をまとめて受け取れる利点がある。

 ◆低コスト化に寄与

 こうした鉄道などを使った共同輸送はCO2削減だけでなく、物流コストの削減にもつながる。とくに最近はインターネット通販の拡大などでトラック運転手の不足が深刻化し、一部では運賃の値上げも検討されている。このため、ビール業界では「トラック配送に変わる新たな物流体制の構築が共通の課題」(大手ビール幹部)になっている。

 また、ビール需要が頭打ちになっていることも、物流提携を後押しする。オリオンビールも加えたビール大手5社の発泡酒、第3のビールを含む16年のビール類出荷量は4億1476万ケース(1ケースは大瓶20本分)となり、ピークだった1994年に比べ27.6%も縮小。とくに2016年は3ジャンル全てで、初めてマイナスとなった。今後も若者のビール離れなどで国内市場は縮小傾向が続くとみられており、ビール各社にとってはコスト削減が喫緊の課題だ。鉄道を使った共同輸送はCO2削減とコスト削減の“一石二鳥”につながるため、ビール業界は物流提携を今後も広げていく構えだ。

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