
爆発的なヒットとなった「ヨーグリーナ&南アルプスの天然水」【拡大】
研究所での話はたちまち広まり、その水が「おいしい」と話題に。上層部にも伝わり、チームの雰囲気は変わっていった。
そして、決まっていた新商品計画の変更を決断。14年9月、新商品発売まで約半年。商品名やパッケージを決める時間は、たった2カ月しか残されていなかったが、ここから糸瀬さんら天然水チームの奮闘の日々が始まる。
過去の商品に目を付ける
ヨーグルトのような味はおいしいが、それをどう表現するか。まずは商品名だ。「乳性フレーバー」といっても味がイメージできない。乳製品によくある「ホワイト」という言葉も、商品が白くないため使えない。この味わいを伝える言葉はないか……。
そんなときに目を付けたのが、過去の商品。1990年代に発売した特定保健用食品の乳性飲料が「ヨーグリーナ」だった。あまり売れなかった商品だったため、「縁起が悪い」という声もあったが、「親しみのある響きで味わいを伝えるのにぴったり」と、再び採用した。
パッケージも悩みの種だった。どんな色やデザインを使えば、味をイメージできるのか。デザイナーと何度もケンカをしながら、「ものすごいスピード」で試作を繰り返した。その数は200種類にも上る。試行錯誤の中で、ブルー系の色を基調としたデザインをゴールドに一変させたことも。青いパッケージは酸味のあるヨーグルトをイメージさせるため、甘くリッチなヨーグルト商品によく使われる金色を採用した。最終的にパッケージが完成したのは、商品発表の直前だった。