しかし、長引く消費の低迷や呉服需要の減退に加え、不採算店舗の増加などにより、業績が悪化。16年12月期(決算期変更)の売上高は約19億5000万円にまで減少した。
その後、不採算商品の見直しなどを行い、業績回復に向けて経費削減などにも取り組んだものの、売り上げ減少に歯止めが掛からず、今回の措置となった。
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【会社概要】ZEN POWER
▽本社=福岡市博多区
▽設立=2005年12月
▽資本金=3000万円
▽負債額=約52億円
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【会社概要】装いの道
▽本社=東京都文京区
▽設立=1964年8月
▽資本金=8700万円
▽負債額=約11億円
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〈チェックポイント〉
「ZEN POWER」は再生可能エネルギーの買い取り制度に伴って事業化し、設備を整え事業を拡大したが、海外企業への不良債権で足元がもつれた。取引先への与信管理が不十分だった上、太陽光発電の市況悪化が追い打ちとなった。環境変化への対応だけでなく事業のリスクヘッジもおろそかではなかったか。
「装いの道」の負債は10億円余ながら、債権者は171人にも及んだ。着物中心に小物も扱い販売ルートを確立したほか、きもの学校でも経営基盤を築いたこともあって債権者が広範囲になった。着物需要の低迷や経費削減は考慮されていたが、今後は個々の企業だけでなく業界全体での取り組みも必要ではないか。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)