
決算に関して会見をする、東芝の綱川智社長(手前)と平田政善・代表執行役専務=15日午後、東京都港区芝浦の東芝本社(宮崎瑞穂撮影)【拡大】
約20分間、平田専務が決算の見通しを説明したあと、質疑応答に移った。綱川社長らの主なやりとりは次の通り。
--最終損益9500億円を重く受け止めるというがどう受け止めるか。決算短信を公表できなかった理由は
綱川智社長「巨額の決算赤字を出したということで重く受け止めている。決算については、いろいろあるが、手続きの詳細は公表できない。独立監査人に制約を与えることはできないが、当方の決算書類に具体的な指摘を受けているわけではない。まだ監査中と言うことで決算短信として発表できなかった」
--調査については、(4月11日の)第3四半期の決算会見で完了したといっていたが
綱川社長「執行側としては、監査委員会とも協力し、独立監査人とも協調する。4月11日でほぼ終わったというのは監査委員会で行われた3四半期分の調査。今回は通期ということで、調査を継続しているということ。
--監査法人の交代について、前回、佐藤良二監査委員会委員長は否定しなかったが
綱川社長「法定期限までに提出できるように監査法人と協調して、最善を尽くす。監査法人は、執行側というよりも、監査委員会が独立して決めるが、交代するとかは聞いていません」
--(半導体生産で協業する)米ウエスタンデジタル(WD)が国際仲裁裁判所に、半導体事業の売却の差し止め申し立てた。入札手続きは継続できるのか。
綱川社長「分社化したメモリー事業のマジョリティー譲渡が、WDの主張するような契約違反に抵触する事実はなく、止める根拠はない。入札手続きに遅れが出るかということは、東芝の正当性を説明して、手続きを進める努力をする」
--1点目、監査法人の溝が埋まっていない。原発建設会社、米CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)の損失認識を時期が争点ということか。 綱川社長「特に溝ではなく、監査法人とは一体となって、協力していく。1つのアイテムとして、認識時期というのがある。ただ、具体的に、決算書類のどこがだめか、指摘がない。調査を続けているという状況」