こうした中、男性が家事や育児に積極的に参加していくために何が必要か。前述の世論調査によると、男女ともに最も多くの人が「夫婦や家族間でのコミュニケーションをよく図ること」を挙げているが、これと同じくらいの割合で「男性による家事・育児などについて、職場における上司や周囲の理解を進めること」(以下「職場の理解」)を答えている。「労働時間短縮や休暇制度、テレワークなどのICTを利用した多様な働き方の普及で、仕事以外の時間をより多く持てるようにすること」のように、働き方の見直しを求める項目にも男女ともに約3割が回答しているが、「職場の理解」の方が上回っている。
実際、男性が勤務先に育児のための制度を利用しようとしても認めてもらえなかったり、利用したら嫌がらせを受けたりというような、いわゆるパタニティ・ハラスメント(パタハラ)も社会問題となっている。働き方改革を進め、多様な働き方が可能になる制度を導入しても、それを利用しやすい職場雰囲気でないと、男性の家事・育児参加が進まないことを多くの人は認識しているようだ。